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代謝・栄養学-3、 (2011年10月19日)(第3章) 脂質(1)(37~52頁) 1

代謝・栄養学-3、 (2011年10月19日)

(第3章) 脂質(1)(37~52頁) 1

脂質とは(38頁) 脂質の種類(38~40頁) 脂質の役割(40~41頁) 脂質各論(脂肪酸) (41~44頁) 脂質各論(中性脂肪) (44~45頁)

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脂質とは(1)(38頁) 生体を構成する成分のうち、「水となじまない性質をもつ有機化合物」を生化学では1つのグループとして扱い、「脂質(lipid)」とよぶ。 脂質は、水に溶けず、ベンゼン・クロロホルムなどの有機溶媒に溶ける性質をもっている。 脂質のような無極性の化合物は、無極性溶媒に溶けやすい。 しかし、生体内では脂質は、リポタンパク質とよばれる、脂質とタンパク質とが結びついたかたちをとることによって、血漿中に溶解して存在している。 食品成分表では、食品を有機溶媒で処理後、抽出されてくるものを脂質としている。

3 〔五訂食品成分表2001、香川芳子監修、女子栄養大学出版部〕より引用

脂質とは(2)(38頁) 脂質(lipid)は、水にほとんど溶けず、エーテルやクロロフォルム、ベンゼンの様な非極性溶媒に溶ける物質の総称。 タンパク質や糖質に対応する物質群の一つ。 化学構造上の絶対的定義はない。 熱量は、9 kcal/g で、重要な貯蔵エネルギー源。 油脂(oils, fats):トリアシルグリセロールと同じ意味。 油(oil):常温で流動性のもの。 脂(fat):常温で固体のもの。 脂肪(fat) = 脂。ただし、油と脂の間の厳密な区別はない。 ブローア(W.R.Bloor) の提案(1925): 脂質とは、 水に溶け難く有機溶媒に可溶な有機物質。 脂肪酸とエステルを作っている。 生物体に利用され得る    もの。

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脂質の種類 (38~40頁) 単純脂質 複合脂質 誘導脂質

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脂質の分類(40頁) 脂質は単純脂質、複合脂質、および誘導脂質に分類される。 単純脂質は脂肪酸とアルコールのエステル(脂肪酸をR-COOH、アルコールをR'-OHであらわすと、エステルはR-CO-O-R'であらわされる)であり、C、H、Oで構成される。 単純脂質には中性脂肪(モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドの3つを含むが、トリグリセリドがその大部分を占める)とコレステロールエステルがある。 代表的な単純脂質である中性脂肪は脂肪組織などにエネルギーの貯蔵体として存在する。 複合脂質にはリン脂質と糖脂質があり、構成元素としてC、H、OのほかにP(リン)やN(窒素)を含む。 複合脂質は生体膜(細胞膜、ミトコンドリア膜、核膜など)の構成成分として存在している。 誘導脂質は単純脂質および複合脂質の加水分解産物であって水に不溶のもののことで、長鎖脂肪酸(炭素数12以上)やコレステロールなどをいう。

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代表的脂質の構造 (39、40頁) (31頁) (39頁)

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脂質の役割(1)(40、41頁) 脂質には主として、 エネルギー源(中性脂肪)、 生体膜成分(リン脂質、糖脂質、コレステロール)、 なお、コレステールエステルはコレステロールが血中を運ばれる際に形成される化合物であり、コレステロールと異なり生体膜成分とはならない。 および各種化合物の生合成原料(コレステロール、脂肪酸) 二次情報伝達物質(DAG) としての役割がある。

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脂質の役割(2) (40、41頁) エネルギー源 親水性で水分子と結合する性質があるものは、水の中ではそのために分子全体が大きくなる。 生体のように水を多く含む環境の中で物質を多く貯蔵しようとすれば、水となじまない分子のほうが都合がよい。 現に生体は、親水性のグリコーゲンと疎水性の中性脂肪をエネルギー源として貯蔵するが、量的には圧倒的に後者のほうが多い。 生体膜成分 水が大半を占める生体にとって、その水を入れておく容器が水に溶けるもめでつくられていては、不都合である。 事実、細胞内液を入れる容器である細胞膜は、脂質の一種であるリン脂質が主成分となって構成されている。 リン脂質はいわゆる脂質二重層とよばれる層状のミセルを形成し、それによって膜の内部が疎水性で,膜の両外側が親水性となっている。 このような脂質二重層となることによって、細胞の外と内の両側で、水を溶媒とする細胞間液(間質液)および細胞内液となじむことができるようになっている。 また、細胞膜の構成成分の1つであるコレステロールは、細胞膜に一定の強度を与える役割を担っている。 糖脂質もまた、細胞膜を構成する成分の1つとして存在する。

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脂質の役割(3) (40、41頁) 各種化合物の生合成原料 コレステロールは、生体膜の成分として存在する以外に、ステロイドホルモン・胆汁酸・ビタミンD2の生合成原料ともなる。 また、二重結合を3~5個もつ炭素数20の不飽和脂肪酸からは、一連の強い生理活性のあるエイコサノイドとよばれる化合物がつくられる。 二次情報伝達物質 ジアシルグリセロール(DAG)は細胞中で様々な機能を持つ。 プロスタグランジンの原料 プロテインキナーゼCの活性化 内在性カンナビノイドである2-アラキドニルグリセロールの前駆体 [http://ja.wikipedia.org/wiki/ジアシルグリセロール]より図を引用 1-パルミトイル-2-オレイル-グリセロールの構造

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脂質各論(41~49頁) 脂肪酸(41~44頁) 脂肪酸の基本構造と性質(41~42頁) 脂肪酸(fatty acid)は、炭化水素基とカルボキシ基(-COOH)からなる化合物で、炭素数の違いによって長鎖(炭素数11以上)、中鎖(炭素数5~10)、短鎖(炭素数2~4)の脂肪酸に分けられる。 生体中には炭素数が16もしくは18の長鎖脂肪酸に属するものが多い。 脂肪酸は、生体中ではその多くがグリセロールとのエステルである中性脂肪として存在している。 一方、エステルを形成せず単独で存在する脂肪酸分子もあり、これらは遊離脂肪酸(free fatty acid(FFA))ともよばれる。 遊離脂肪酸は、血中ではアルブミン分子に結合して運搬される。

長鎖脂肪酸の例:パルミチン酸

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飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸(1、42~43頁) 脂肪酸のうち、 炭化水素基に二重結合のないものを飽和脂肪酸、 二重結合のあるものを不飽和脂肪酸という。 不飽和脂肪酸のうちで二重結合が1つのものを、モノエン脂肪酸という。 モノエンmonoeneとは、1つの(mono)二重結合(ene)という意味である。 また、二重結合が2つ以上のものをポリエン脂肪酸あるいは多不飽和脂肪酸という。

13 (43頁)

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸(2、42~43頁)

14 表記法 通常は、カルボキシル基末端から番号を付ける。 1、2、3、・・・ α、β、γ、・・・ 慣用名  α-リノレン酸=(9,12,15)-リノレン酸=Δ9,Δ12,Δ15-リノレン酸  γ-リノレン酸=(6,9,12)-リノレン酸=Δ6,Δ9,Δ12-リノレン酸  のように表す。

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸(3、42~43頁) 油脂の主成分はトリグリセリドであるが、牛脂や豚脂のトリグリセリドのように飽和脂肪酸を多く含むものは融点が高く、常温では固体であり、植物油(ゴマ油やダイズ油など)のトリグリセリドのように不飽和脂肪酸を多く含むものは融点が低く、常温では液体である。

15 [系統看護学講座、基礎分野、化学、杉田良樹著、医学書院]から図を引用

飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸(4、42~43頁) 栄養学的には、飽和脂肪酸、モノエン脂肪酸、ポリエン脂肪酸の望ましい摂取割合はおおむね3:4:3といわれる。

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飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸(5、42~43頁) 炭化水素基に二重結合が存在すると、その二重結合の構造の違いによる異性体が生じ、その片方をシスcis形(cis form)、他方をトランスtrans形(trans form)とよぶ。

17 (43頁) シス形とトランス形 炭素-炭素間が1つの共有結合でつながれているときには、炭素間の回転が自由であるのに対して、炭素-炭素間が二重結合になると、向かい合う人どうしが両手をつなぎ合ったときのように状態が固定されて、回転ができなくなる。 二重結合を形成する炭素原子のそれぞれに結合するものの位置関係によって、2つの異性体が生じる。 これらをシス形とトランス形という。 生体中の不飽和脂肪酸の二重結合は、ほとんどシス形であるが、マーガリンなどにはトランス形不飽和脂肪酸が含まれている。

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必須脂肪酸(44頁) ヒトは、不飽和脂肪酸のうち、生体内に欠かせない数種のものをまったくあるいは必要量だけ生合成することができず、食事から摂取しなければならない。 このような脂肪酸(すなわち、リノール酸、α-リノレン酸、アラキドン酸)を、必須脂肪酸(essential fatty acid)という。 脂肪酸の炭素原子には通常、カルボキシ基の炭素原子を1番にして順に番号をつける。 ほかに、カルボキシ基とは反対側の端の炭素原子(ω炭素原子)をω1とし、それから順にω2、ω3、……とする方法もある。 リノール酸、γ-リノレン酸、アラキドン酸などのように、末端のメチル基から数えて6つ目の炭素原子の位置に最初の二重結合がある不飽和脂肪酸を、n-6系(あるいはω6系)不飽和脂肪酸という。 それに対して、α-リノレン酸やエイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)などのように、末端のメチル基から数えて3つ目の炭素原子の位置に最初の二重結合があるものを、n-3系(あるいはω3系)不飽和脂肪酸という。 栄養学的には、n-6系とn-3系の不飽和脂肪酸をバランスよく(4:1程度に)摂取することが望ましいとされる。

EPAとDHA エイコサペンタエン酸(eicosapentaenoic acid)のeicosaは20(炭素数)、pentaは5(二重結合数)のことである。 ドコサヘキサエン酸(docosahexaenoic acid)のdocosaは22(炭素数)、hexaは6(二重結合数)のことである。

19 視物質の場合 1958年にジョージ・ウォールド(George Wald)と共同研究者は、11-cis-レチナールが光子を吸収すると分子が炭素-炭素結合のまわりにねじれ、異性化という過程で11-trans-レチナールになることを示した〔式(4)〕。 この、シス型とトランス型の視物質のエネルギーの差が、視覚として脳に伝わるのである。

脂質各論、中性脂肪(45、46ページ) 中性脂肪(neutral fat)には、グリセロールに結合する脂肪酸が3つ、2つ、1つのものがあり、それぞれをトリグリセリド(triglyceride、あるいはトリアシルグリセロール、triacylglycero1)、ジグリセリド(あるいはジアシルグリセロール)、モノグリセリド(あるいはモノアシルグリセロール)という。 しかし、トリグリセリドが中性脂肪の大部分を占めているため、トリグリセリドが中性脂肪と同義によく用いられる。 食事で摂取される脂質のほとんどは中性脂肪である。 中性脂肪の構造中にみられるおもな脂肪酸は、炭素数が16のパルミチン酸や、炭素数が18のステアリン酸・オレイン酸・リノール酸などである。

20 (45頁)

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Name: 
11_03-(Lipid_01)
Author: 
平野 達
Company: 
浜松医科大学 光量子
Description: 
代謝・栄養学-3、 (2011年10月19日)(第3章) 脂質(1)(37~52頁) 1
Tags: 
リノレン酸 | 43頁 | acid | 中性脂肪 | 飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸 | 脂質各論 | 脂質の役割 | 40頁
Created: 
9/14/2006 1:08:12 AM
Slides: 
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